はたらくノウハウ

【相談日記】「年齢的に難しい」→「どうすればできるか」への転換~Kさん(50歳代後半・女性・無職)~

「事務職を希望します。」
相談室を利用される方からよく聞く言葉です。
Kさん(50歳代後半・女性・無職)からも同様の言葉を聞きました。
Kさんは、正社員で勤務をされていた経験がありますが、家族の介護のために退職し、介護に専念した後に、契約社員やパート・アルバイト職員として数か所の職場を転々としてきました。
しかし、いずれも雇用期間の定めがある職場であったため、1か所で5年を超えるキャリアを構築することなく、現在に至っています。

周囲の方からも、いくつかの相談窓口でも「年齢的に事務は難しい」と言われ、落ち込んでいたのですが、やはり自分自身では事務経験を活かし、積み上げていきたい意向を持っていました。

そこで、「事務だけにこだわることは視野を狭めてしまうことなので、事務以外の選択肢も視野に入れましょう。でも、優先的に事務職へのエントリーを行い、難しければ枠を広げていきましょう」という方針を立てました。

結果として、高齢者福祉施設の一般事務職に契約社員として採用が決定しました。

Kさんは、常に「年齢的に無理かも」「もっと若い人がほしいに決まっている」と消極的な姿勢でしたが、「どうすれば活躍できるか」「どうすれば採用につながるか」を考えるようにアドバイスを送りました。

また、Kさんは入念に求人企業について調べることを怠りませんでした。
職場見学が可能であれば、率先して出向き、合同面接会があれば参加し、インターネットで事前に企業の情報を収集し、実際に足を運び……と自分が年齢や経験という不利と思っている部分を払しょくしようと行動を起こしました。

いろんな人と話し、業界のことも知ることができました。働き方も知ることができました。現場で抱えている問題も知ることができました。

Kさんは、業界の経験者でもなければ、資格を保有しているわけでもありません。
素直に、能動的に行動した結果が採用に結びついたのかもしれません。

「○○だから無理」と決めつけて、行動を起こさなかったら結果は出なかったでしょう。
だから、今の自分ができうる限りのことをすることでしか、自分の未来を勝ち取ることができないのではないでしょうか。


【コラム】休むこともたいせつなことです

転職活動を行っていらっしゃる中で、考え方が窮屈になってる方が多い印象があります。

考え方が窮屈になっているというのは、「視野が狭くなっている」「考え方が浅くなっている」「自分本位で考えすぎている」と言い換えることもできます。

転職活動が前向きな理由でない場合も多々あると思います。
そんな時は、どうしても考え方が窮屈になりがちなのではないでしょうか。

転職は「未来を考えるための一大イベント」です。
だから、入念に考え、検討し、あらゆる想定をして臨むことが必要なのですが、気持ちが前向きでない場合は、「こなす」「やっつける」という認識になってしまっている場合が多いようです。

おそらく前向きな理由でない転職は、何らかの不満が前職在籍時にあったのだと思います。
そうすると、何らかのダメージを受けている可能性が高いと推測されます。
ダメージを受けた状態で、次のことを考えると考え方が窮屈になると思います。

ここではスポーツを例にして考えてみます。
スポーツ選手が足を骨折してしまった場合、治療を受け、患部を安静にし、治癒するまで待ちます。その後、徐々に元通りに動けるようにリハビリテーションを経て、実戦に復帰していきます。
もし、足を骨折した状態で無理をして、負荷の高いトレーニングや実戦を行い続けるとどうなるでしょうか。
もちろん自然治癒力があるので、時間をかければ元通りになることもありますが、おそらくケガの状態がひどくなってしまうケースも多いと思います。ましてや、本来のパフォーマンスを披露することは難しいのではないでしょうか。

こうして考えると、一旦休んで元通りのパフォーマンスができるまで待つこともたいせつなことです。
焦る気持ちが出てくるのはわかりますが、休んで、エネルギーを蓄え、次の行動に移るというプロセスを経ることで、より精度の高い思考や選択ができるのではないでしょうか。

しかし、ただ完全に元通りになるまで、待つのは時間がもったいないものです。
休むと言っても、一日中寝て暮らしていては身体はなまりますし、頭の回転も鈍くなってきます。

少し回復の兆しが見えたら、人と会ったり、次の方策を検討するための情報を収集したり、出歩くことで刺激を受けたり……と、行動を起こすことで前進していきましょう。

ダメージを受けたら、一旦休んでダメージの更なる悪化を食い止める。その後、リハビリテーションをして、元通りに近い状態までコンディションを整える。

その過程がキャリアの中で重要なポイントとなるかもしれません。

もちろん、「ほんの少しのダメージを受けただけでも休む」というのは休み癖がつきますので、気をつけてくださいね。


【相談日記】「とにかくやってみる。」こともたいせつ~Nさん(40歳代後半・男性・無職)~

Nさん(40歳代後半・男性・無職)は、高校を卒業後、事務職にて就職をしますが、会社の体制に悩まされ、数年で退職。その後、転職した会社で勤めている時に起業の夢が膨らみ、20歳代後半で飲食店を開業しました。

当初は、地元関西ではない地方で出店をし、地域の繁盛店となりました。約10年が経過した頃に家庭の事情で関西に戻り、新たに出店をすることに。

関西での出店や商売は初めてであったため、当初は戸惑いもありましたが、過去の成功経験を信じて店の経営を続けてきました。

地方出店のような繁盛を生み出すことはできませんでしたが、自分の味を追求する姿勢で徐々に常連客ができるようになりました。

しかし、ここ数年、自店の宣伝を広くしてこなかったためか、新たな常連客が減ってきました。
併せて、店舗経営の危機となるような出来事が続き、やむなく閉店をする決意をしたのです。

そこで、新たな人生を送ることになったNさん。
勧められるがままに、電気工事関連の職業訓練に通うことになります。

職業訓練に数か月通ってみて、新しい発見があり、興味を持ったものの、いざ修了が近づくと就職活動がうまく進みません。
そして、Nさんは受講中に取得した資格だけが手元に残り、修了することになりました。

実務経験もなく、年齢も40歳半ばを過ぎている自分がどのような職場で活かすことができるのか、だんだんわからなくなってきました。

そして、相談室に訪問されたのです。

Nさんは、接客と調理の技術を20数年間、経験してきました。
その中では、お客さんの笑顔やエール、自身の技術研さん等、高いモチベーションを持ちながら取り組めてきたことでしたが、今、全く違う分野への就業を求めている中で、なかなかモチベーションが上がりにくい状態になっています。

新たな職についてのイメージができないのか、過去の職に未練があるのか……。

いずれにせよ、新しい自分のキャリアをスタートする時です。
今までの自分自身の経験の中で似たような経験をしてきたこともあるでしょう。
苦難を乗り越えてきた経験もあるでしょう。

そのような履歴書の職歴欄では表現できない経験値が今後のNさんを支えてくれるはずだと思います。

Nさんとは、過去のキャリアに対して「俯瞰的に見つめなおしましょう」と、意見交換を重ね、半生を振り返りました。

振り返った中で、「はたらくことで実現したいこと」を整理していき、今後の就職活動に活かしていくことになりました。

Nさんに限らず、今までとは違うキャリアを歩もうと考えている人は多いです。
でも、その多くの方々が悩まれるのは「経験値のなさ」です。

経験値が少ないことで新しい自分の可能性を見出しにくい状態に陥っています。

時代はめまぐるしく変化をしていっています。
同じ職を続けていても、10年前とは周囲の環境に変化が訪れているはずです。

それらの変化がある以上、柔軟に順応していくことが今の時代に求められているのではないでしょうか。

Nさんと同じように、飲食店を長年経営されていた方が、廃業し、全く違う分野で活躍されている方も過去の相談者でいらっしゃいました。
その方は、次の言葉で覚悟と決意を持って、新しいフィールドへチャレンジをされました。

「とにかくやってみる。」と。


【コラム】志望動機の伝え方

応募書類を作成するときに悩む箇所として多くの方が挙げるのが志望動機です。

志望動機が書けないという方が多くいますが、書けない理由は大きく分けて2つあるように思えます。

ひとつ目は、「書きたい内容がいっぱいあって、まとまらない」タイプ。
ふたつ目は、「なんとなく応募しようと思っていて、本当に志望動機が見当たらない」タイプ。

このふたつ目のタイプに関しては、応募したいと思っているのに、理由が見えない、あるいは理由が本音過ぎる(収入を増やしたい、前の会社がイヤだったので、違うところに……等)のではないでしょうか。
この場合は、人生を左右する就職という事象を目の前にしているのですから、もう少し深く考える必要がありそうです。

ここでは、ひとつ目のタイプの方に対して志望動機のまとめかたをお伝えしたいと思います。

書きたい内容が多くある方にありがちな志望動機のパターンは、やってきたことを羅列する書き方です。

「私は事務職でファイル整理や会議録作成、来客応対を行ってきました。さらには、電話応対や出張の手配、営業担当者の連絡調整も行っていました。また、現金の管理や伝票の整理も行い、資料室で社内資料の整理にも精力的に取り組みました。そこで、貴社でもこれらの経験を活かして貢献したいと思います。」

このような感じです。

アピールしている内容が盛りだくさんですけど、「自分自身の特徴」の紹介ではなく、「事務職とは何をするのか」の紹介になってしまっています。そうなるとアピール度合いが低くなってしまいます。

そこで、「何をやってきたか」に併せて、「どのように取り組んだのか」を書く必要があります。
そして、自分らしさを出すためには、どんな評価を受けてきたのかも書き記しましょう。

これらを考えるためには、過去の職歴を思い出して、再確認する必要があります。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

先方が求めている人物像をしっかり把握して、自分自身がその人物像に適しているとアピールする。

志望動機に限らず、自己PRでも、面接でお話しする時にも、たいせつな心がまえです。

さて、最後に志望動機の構成です。

志望動機は3つの段階に分けて構成しましょう。
まず最初に「自分自身の就職活動の目的や軸」を書き記します。
その次に「なぜその会社で働きたいと思ったか」を書きます。
最後に「求められている仕事内容ができる理由」を書いて締めていきます。

この三段構成を基本にして志望動機を書いてみましょう!
ライバルと違った面を先方に伝えられるかもしれませんよ!


【相談日記】これからの働き方を考える~Iさん(60歳代前半・男性・アルバイト)~

Iさん(60歳代前半・男性)は、長年印刷会社に勤めていましたが、体調を崩し、定年前に退職。その後、療養期間を経て、清掃会社に就職しました。
今までと同じ程度の給与を見込んで、夜勤の仕事に就くことになりました。

夜勤の仕事に就いて、3年が経とうとしている時に相談室を訪問されました。

「夜勤の仕事は慣れればできると思っていたけど、だんだん身体がしんどくなってきた」
「だから、昼間に働ける職に就きたいと考えている」
「でも、昼間に夜勤と同じ仕事をしても、同程度の給与が見込めない」

とのことでした。

確かに、夜勤と同じ内容で昼間に働くと同水準の給与は見込みにくくなってしまいます。

そこで「どんな技術やスキルが活かせそうですか?」と尋ねたところ、「過去に印刷業を経験したことがあるので、その経験を活かせるなら」と回答がありました。

印刷業の求人情報を閲覧してみましたが、仕事内容がIさんの経験と合致しない結果が多く出てきました。
それは、新しい技術を求められていたからです。
Iさんは、従前の方法で仕事をしていましたが、世の中は技術が進歩していて、扱う機械やソフトウェアが刻々と変化していっていたのです。

そのことを知ったIさんは、「何も残っていない……」と肩を落とすことになりました。

ここで、Iさんの選択肢は絞られてきました。

現在、勤めている会社を継続するか、同職種で昼間の仕事に移るが給与を抑えられるか、異職種で給与水準が保てる昼間の仕事に移るか……

Iさんは、幸いにも現在仕事に就いています。だから、考える時間は残されています。
それぞれの選択肢においてメリットとデメリットをじっくり考えることができます。

現在は、その思考の途中です。
岐路に立つ中でどのような選択が結果的に正しく、満足できるかが今後のIさんの行く末を左右するかもしれません。

このような悩みに対して、答えは存在しないと思います。
相談室では一緒に考え、悩み、自分が進むべき道を発見、気づくお手伝いができたらいいのだと思います。


【相談日記】今、できることは何ですか?~Aさん(50歳代後半・男性・無職)~

Aさん(50歳代後半・男性)は、約10年前に交通事故に遭い、仕事に支障をきたすようになり、3年前退職を余儀なくされました。営業職に就いていた時に事故に遭い、その後入院生活を経て、約1か月後に職場復帰しました。
職場復帰後は、もとの営業職に配属されました。しかし、事故の影響かなかなか今までの調子を取り戻せません。そこで、職場や医師との相談の上、休職をすることになりました。
休職から復帰後は、もとの営業職ではなく、資材管理を行う部署への転換の命が下りました。
Aさんは「自分が活躍できるなら…」と今まで携わったことが無い部署での仕事への異動を受け入れ、新たな仕事を始めました。

しかし、単純な作業のはずなのですが、ミスが多く、職場での立場も弱くなっていってしまいました。そして、何回かの休職をした後に、退職することになりました。

退職後は身体と心に静養を与え、次の職探しに向けての英気を養っていました。

そして、満を持して就職活動に取り掛かりました。

長年経験のあった営業職を中心に求人を探し、応募を行いましたが、一向に面接選考に進めません。

「50代の自分では難しいのかな……」と、半ばあきらめる気持ちと「今後、どうしたらいいのかな……」と、絶望感にも近い感情が入り混じってきました。

そこで、当相談室を訪問されました。

お話を聞いてみると「営業職がしたい」との希望を持っていらっしゃいました。
そこで「今、どんなことができますか?」と問いかけをしたところ、過去の営業職での実績を語っていただきました。
そしで、改めて「今、どんなことができますか?事故の影響で業務を進めることに支障が出たのであれば、今は事故に遭う前に得た実績は今現在において、できるとは言い難いのではないでしょうか」と問いかけました。
すると、「そうかもしれません。でも、それしか自分の実績は無いのです」とお答えがありました。
そこから事故に遭う前と後での比較を行いながら、事故後にできることを整理していきました。

その中で出てきたのがフォークリフトの運転でした。
多少ブランクはありますが、講習会に再度通って、運転知識や技能を再習得し、仕事探しの軸に据えたいと考えておられます。

現在は、フォークリフトの講習も終え、求人を検索し、応募する段階に至っています。
一度面接に行かれたようで、面接の内容を確認したところ、企業の方の反応もよく、期待が持てる状況でしたが、最終的に条件面での合意ができなかったとして、不採用となりました。
でも、営業職希望であった段階ではできなかった、「話を聞いてもらえる」ことに喜びを感じ、就職活動に精力的になっていっています。

今後もAさんを全力応援したいと思います。


【コラム】ゴール手前で失速しないために

みなさん。こんにちは。暑い日が続いていますが、水分補給などを小まめに行い、体調管理をしっかりしてくださいね。

さて、突然ですが、100m走はゴール前で失速しやすいそうです。

これは「もうすぐゴールだ」と思うことで、気が緩んでしまうことが原因なのだそうです。しかし、そうするとタイムが遅くなってしまいます。

アスリートと呼ばれる選手の方々は、ゴール前で失速しないようにゴール後の行動までを一連の流れとして捉えているそうで、ゴールテープを切る時点がゴールじゃないそうです。

これはスタートも一緒で、スタートの合図がある時がスタートではないようです。ユニフォームに着替えて、走る準備をしている段階からすでに一連の流れがスタートしているそうです。
そうすることでスタートの時点で必要以上に焦らなくても済み、ゴール前で速度を維持しながら駆け抜けることができるようです。

このことは就職活動に限らないですが、どんな場面でも当てはまることかもしれません。ここでは就職活動の場面を思い浮かべて当てはめていきたいと思います。

就職活動はやることが多くあります。履歴書や職務経歴書を書いたり、求人を探したり、面接を受けたりと……。でもこれらは一連の流れとして捉えましょう。
履歴書や職務経歴書を書くためには、過去のキャリアの整理や自己分析が必要ですし、求人を探すためには条件設定をしなければなりません。面接は非日常的な場面ですから、練習をしておくことも大切でしょう。
また、履歴書や職務経歴書は書いたら終わりではありません。せっかく書けたら応募しなければなりませんし、見直してより良い内容にブラッシュアップも必要になる時があるでしょう。求人も探すだけじゃなく、企業研究をしたり、実際に応募することもたいせつです。面接の場面も通過点でしかありません。

面接では「緊張してしまう」と多くの方が言います。緊張するのは当たり前なので、緊張しないようにすると考えるのではなく、緊張状態で自分自身を表現できるかに焦点を絞った方が良いかもしれません。
面接は家を出る時から始まっています。無職状態の人はビジネスシーンから遠ざかっているので尚更ですが、面接は「仕事モード」で臨む必要があります。家を出る時には仕事モードをオンにしてみましょう。電車に乗る時や街を歩く際も仕事モードです。
面接企業に着いたら、より仕事モードを強めていきましょう。面接官は求職者ばかりと会っているわけではありません。同僚や取引先の方等、仕事モード全開の方と日々会っている人たちです。その状態の中で仕事モードがオフになっている人と会ったらどう感じるでしょうか。やはり物足りなく感じるのではないでしょうか。

いざ面接がはじまってももちろん仕事モードです。自社でやってもらう仕事ができそうかどうかを判断されるわけですから……。

そして、面接が終わったからと言っても仕事モードをオフにしてはいけません。家に帰るまでオンの状態を維持しましょう。

家を出る時から家に帰るまでを仕事モードにしておくと、その間にあった面接は、通過点でしかありません。緊張が和らぐというより、緊張を意識し過ぎている場合じゃないので、面接自体を自然体で対応できる可能性が高まります。

100mのゴール前で失速してしまうのではなく、ゴールテープを速度を落とさずに駆け抜けてみる。そのためにはゴール後の行動までを一連の流れにする。こうすることで肝心な場面で失速せずに済みます。

もっと大きく見れば、就職活動自体も通過点です。みなさんのキャリアの中の一時でしかありません。就職活動後に新たな環境で活躍し、定着している自分を想像することができていれば良いのではないでしょうか。


【相談日記】何も手につかないんです~Mさん(40歳代後半・女性・無職)~

Mさん(40歳代後半・女性)は、退職後3か月経とうとしています。しかし、就職活動をしなければならないと思いつつも、時間だけが経過してしまっている状態です。

就職活動をしようと思うのですが、身が入りません。

そんな状況で相談室を訪れました。

今までの経歴を活かすことを考えるのですが、直近10年間は派遣社員として事務職を担っていて、「なんとなく10年間を過ごしてしまった」ようで、ウリとなるポイントを見出せない状態です。今からは派遣社員ではなく、直接雇用として働きたい意思を持っていますが、なかなかアピールできる素材を発見することができず、二の足を踏んでいる様子です。

そこで、過去のキャリアの中で一番自分が輝いていた時のエピソードをたずねると、「約15年前の新規事業の立ち上げ」での経験が挙がってきました。

その当時は、社員同士が切磋琢磨して、新規事業を立ち上げるために奮闘していたそうです。その一員として、最初は誰かのサポート役を担っていたのが、だんだんと責任ある仕事を任せられるようになり、最終的には全体のまとめ役として責務を果たすようになりました。

Mさんは「モチベーションが高く、四六時中仕事のことを考えていたし、視野も広かった」と当時を思い返します。

その状況を続けていくことができていれば、今になって悩まなくて済むのですが、約12年前に新規事業が立ち上がり、順調に滑り出したことを見届けた時に会社を離れる決断をしました。

新規事業の立ち上げは楽しく、やりがいのある業務でしたが、それと引き換えに激務で心身ともに休息を求めていたからです。

「今、考えると他にもやりようがあったと思うけど、当時はその環境から離れることが最優先だと考えてしまいました」

そこから10数年後の心境です。

当時のよいイメージを今後のキャリアに反映させたいと思っていますが、就職活動に意識を集中できない自分がいます。

そこで、「趣味でも、遊びでもいいから何かに夢中になる時ってありますか?」と問いかけると、「今はない」と回答がありました。

何かに夢中になる。

仕事でも勉強でもプライベートでも、何かに夢中になった経験はあると思います。
何かに夢中になることは、集中して取り組めている状況だと思います。

日々の暮らしの中で、何に対しても集中できていない状況では、就職活動に集中できるはずがありません。

無職の状態で「就職活動をしなければならない」と自分を追い込んでいる中では気ばかりが焦ります。
集中する準備ができていないのではないかと考えられます。

そのためには、就職活動に限らず「何かに夢中になる自分」を作り出すことで、「夢中になって集中する思考回路」が動き出すのではないでしょうか。
日々、どんなことに対しても少し夢中になれるモノがあれば、就職活動も併せて夢中になりやすくなるかもしれません。

Mさんは、映画に興味を持っているそうです。
誰かに深く語れるくらいに夢中になって、いきいきとした状態で就職活動に取り組むと、意外と近道かもしれませんね。


【相談日記】何をしたら正しいのかわからなくて、一歩が踏み出せない~Uさん(40歳代前半・女性・無職)~

Uさん(40歳代前半・女性・無職)は、美術系の学校を卒業後、一時は美術の道を本格的に歩もうとしますが、途中であきらめてしまいました。しかし、美術や芸術とかかわりながら働いていきたい希望を持っていました。
いくつかの会社を転々としている中で、直接的に美術や芸術にかかわれていない自分に対して、悔しい、空しい、怒りの感情が芽生えるようになりました。

前職は、博物館での仕事で事務を担当していましたが、他のスタッフが直接的に美術や芸術に関わっているのを見ると、目をそらして目の前の事務の仕事に集中する日々が続いていました。
やがて、事務の仕事をやっている中で限界が訪れ、体調を崩してしまいます。

そして体調を回復し、いざ就職活動を始めることになり、当相談室を訪れました。

訪れた当初は、自分の想いを前面に出すことはなく、「自分ができる仕事ならなんでもいい」「でも、やる気が起きない」といった様子でした。
だから、何をしたら正しいのかわからなくて、一歩が踏み出せない状況に陥っていました。

そこで「本当に自分がやってみたい仕事」を聞いていくことにしました。
すると出てくるのは、やはり学生時代に打ち込んだ美術や芸術に深くかかわる仕事でした。

でも具体的な仕事像は浮かんできませんし、自分自身のスキルについても自信がないようです。

もう少し具体化するために、足で行動することをおススメしました。
美術や芸術に関連する店や会社の情報を調べたり、足を運んだり、人に話を聞いたり……

約1か月後、相談室に報告がありました。

「自分が想う仕事像が見えてきた感じがします」

今までは自分自身の中で「美術・芸術」とは距離を置きながら物事を考えるようにしていましたが、今回の就職活動で再び「美術・芸術」との距離を縮め、一歩進めることができるようになってきています。

これからもUさんの就職活動を応援していきたいと思います。


【コラム】自分の持っている「資産」を活用しよう

みなさんは、負債を抱えていますか?それとも資産を持っていますか?
ここで言う「負債」「資産」というのは、会計面でのことではありません。自分が感じている幸福度や満足度のことをさしています。

幸福度や満足度が高ければ、たとえ収入が少なくても、たとえ孤独であっても、悩みや不安は少ないのかもしれません。もしくは一般的にネガティブと言われる要素もポジティブに捉えることができるのではないでしょうか。

ここでは、みなさんが何らかの不安や悩み、不満を持っている状態を「負債を抱えている」と捉えます。

負債を抱えた状態からスタートするとしたら、まず考えるのが「負債を返さなきゃ」ってことですよね。でも、負債を返すだけでは±(プラスマイナス)0の状態になっただけ。
本当はその先に、+(プラス)を作っていく必要があります。

+(プラス)とは資産のこと。ここで言う資産は、使えるリソース・資源のことです。
たとえば、体力もその一つですし、ネットワークも知識も時間もそれに当てはまります。資産がある程度増えてきたら、負債の象限に戻ることは回避できます。

そして、資産を増やすには何をするか……。投資・運用ですね。資産を活用して、増やしていく考え方です。

そのあたりが負債を抱えている時のゴールであったり、目標であったりするのではないでしょうか。負債の償却・返済をゴールにすると、ゴール寸前で息切れしてしまうこともあります。だから、負債の償却や返済はあくまでも通過点です。

ゴールを自分の資産を活用することに設定すること。すなわち、就職活動で思い浮かべる目標地点になります。

就職活動のゴールは、「就職すること」<「活躍すること」<「定着すること」と置いて、資産活用を考えてみましょう!


【相談日記】もう少し待てば、いい求人が出てくるかもしれない~Kさん(50歳代前半・男性・無職)~

Kさん(50歳代前半・男性)は、大学を卒業後、電子機器メーカーに技術職として勤めていました。しかし、リーマンショックの影響から退職し、違う会社に転職しました。電子機器を扱う会社でしたが、技術職ではなく品質管理が主な仕事でした。
Kさんは、その仕事にやりがいを感じていましたが、今から約5年前に両親の介護が必要となり、退職を余儀なくされ、以降介護中心の生活を送っていました。
昨年、介護の手が離れ、本格的に就職活動を行うことになり相談室を訪問されました。

Kさんは、電子機器に関する仕事に長年就いてきたため、その経験を活かしたい希望を持っていますが、なかなか求人の件数が少ないこともあって就職活動が停滞していることに悩んでいました。
求人を検索すると希望する職種が出てくるには出てくるのですが、求められている年齢や取り扱う製品やサービスの種類が違うことから、応募するまで至らない状況が続いていました。

そこで、違う職種も視野に入れて求職することを勧めてみました。
しかし、「せっかく今までやってきたのに、活かせないのは……。また、違う職種といっても何もできないと感じている。」とあくまでも経験した職にこだわりを持つ意思を持っていました。
とはいえ、Kさんが少ない求人を待っていてもなかなか就職が決まらないことも予想されたため、区切りとなるスケジュールを設定することとなりました。

その期間は2か月間。

そして、Kさんとは悔いのないように求職活動を行うことを約束して相談を終えました。

2か月後。
Kさんに活動の様子を確認することにしました。
するとKさんは今も求職活動を継続していました。この2か月間の様子を確認すると、やはり求人件数は少ないままであること、応募は数件したが全て不採用に終わったことの報告を受けました。

そこで、2か月前に話していた、「違う職種に目を向けてみること」について作戦を立てることになりました。
しかし、Kさんは渋い顔をしています。
どうしたのかと問うとKさんは、「今でも少ないながらも求人情報が出てくる時がある。もともと少ない中なので、該当する求人情報が出てくるのは貴重と感じている。だから、もう少し今の方針(電子機器関連の職探し)を進めていきたい」とのことでした。

求人が少ないことは2か月前にKさんも理解していたはずなのですが、たまに出てくる求人に「もしかしたらもう少し待てばよりよい求人情報が出てくるかもしれない」という期待感を持っているようです。

新たな変化について億劫になる気持ちはわかります。
自分の視野を広げて、BESTな選択だけでなく、BETTERな選択も必要なのではないでしょうか。
もう少し柔軟に物事を捉えてみると、違った道が待っているかもしれません。

「もう少し待てば、いい求人が出てくるかもしれない」

この方針を持ちつつも、二の矢、三の矢を放つ準備もしていきましょう!


【コラム】就職活動を魚釣りにたとえてみる。

就職活動ってどのように捉えたらいいのかわからない面がありますよね。
そこで、今回は就職活動を魚釣りにたとえてみることにしました。

こうして別のものに置き換えて捉えることで、シンプルに、かつ簡素にイメージができるようになります。いわば比喩・メタファ表現ですね。

まず、魚をどうしたいのか?というところから話は始まります。
魚を自分が手に入れる方法のことです。
買うことでも、もらうことでも、育てることでも、自分で釣ることでも手に入ります。

就職活動はこの内、「釣ること」に近いと考えられます。

さて、魚を釣るにはいろいろな指標を考えて臨まなければなりません。やみくもに釣ろうとしても釣れませんよね。

どんな指標があるのでしょうか。
どこで釣る?海?川?湖?
それもどんな海?川?湖?
そもそもどんな魚を釣りたいのか?
そもそもなんで魚を釣りたいのか?

このあたりは「目標を決める」ことになるのではないでしょうか。

もちろん、無理な目標は立てられません。
海外の良い漁場で大物を釣りたいと思ったとしても、実現可能性を考えれば無理な目標となることが高いでしょう。

目標を決めるためには、自分が何を持っているかを把握する必要があります。
使える時間は?持ってる釣り具は?漁場まで行く手段を確保できるか?

このあたりは「自己分析」に近いでしょうか。

そして魚を釣るための情報や知識も必要となります。
ターゲットとなる魚を釣るには、釣り竿やエサは何が有効か?沖から釣った方がいいのか?岸からでも釣れるのか?釣れる可能性が高い時間帯は?釣るためのコツは何か?

それに付随して、魚の特性も知ることになるでしょう。

いろいろな角度から釣れるための情報や知識を高めていきます。
ここは「企業や職場の研究」「相手が求める人物像の把握」にあたりますね。

さて、ここまでは机上の空論です。実践してみなければ何もはじまりません。
最初からうまくいかないことも多いでしょうけど、得られる情報や知識は格段に増えます。それもリアルな情報を得ることができます。

何回か釣りを経験することで、だんだん釣れるようになってきます。

ここで言う釣っている状態は、就職活動を行っていたり、働き始めたりすることをさします。

さて、ここまで釣りを就職活動や働くことに当てはめてみましたが、イメージは深まってきたでしょうか。

最後に、釣りは待つことや何回もチャレンジすることが必要です。
一回釣り糸を垂らしただけでは釣れないものですよね。
釣り糸を垂らして、竿を動かして、魚に食いついてもらうようにする。
ヒットしなければ、同じ動きで再チャレンジ。
エサがなくなれば、エサを補充する。
これの繰り返し。

繰り返す中で上達していくものです。

前に魚を手に入れる方法として「買うこと」「もらうこと」「育てること」「釣ること」を挙げましたが、当相談室では「魚の釣り方を伝える」ように支援をさせていただきたいと思っています。

みなさんは魚を釣りたいですか?


【相談日記】退職理由が伝えにくい~Gさん(50歳代後半・男性・無職)~

Gさん(50歳代後半・男性)は、前職を仕事上の人間関係で精神的な負担を抱え、退職することになりました。体調も回復し、新たに就職活動をはじめるために相談室を訪れました。

Gさんは、前職の退職理由を「面接で伝えなければならない」と強く思うあまり、就職活動が前に進まない状況に陥っていました。

そこで、なぜ面接で退職理由を伝えにくく感じるのかを問うたところ、「前向きにとらえてくれず、印象が良くないのではないか」と思っているようです。そして「仕事を任せられなさそう」と評価され、不採用になると感じているようです。

だから面接で退職理由をうまく話せるようになりたいと希望を持っていました。

しかし、Gさんは仕事ができる自信を持っています。
仕事ができる自信があるのにもかかわらず、仕事を任せられなさそうに見られることは、どこかで誤解が生じているのではないかと推測できます。

Gさんにそのことを告げると、「誤解をされたくない」と強く思っていました。その理由は、「自分が傷つく」「誤解をとくのが面倒くさい」からでした。

もちろん誤解されずに物事が伝わればいいですが、相手に誤解をされることは多々あります。
その時は、「誤解をとく」ことをしないと、誤解は解消されません。

しかし、誤解をとくことをあきらめていた時もありました。
この時、前職の退職理由の根底になることはこの「あきらめ」が原因であることもわかりました。

そして、今までの生きてきた中でうまくいかなかったときは、「あきらめ」を感じていた時が多かったことも知ることになります。

「あきらめ」は損得勘定で判断した結果から生まれるものでした。しかし、その結果は自分にとって、有益なものではなかったのです。

では、どうしたらいいのか……

そこで、「善し悪し」で考えてみると考え方がすっきりしました。

「自分が傷つきたくない」と「得」を選ぶと、結果は「悪」の感情になる。
自分が何かを成し遂げた時は、「損」な役回りをしていても「善」の感情になる。

Gさんの退職理由が伝えにくく感じる事柄に戻ります。

面接で退職理由を尋ねられることは、多いと聞きます。
だから、尋ねられることを前提として臨むべきかもしれません。

でもGさんは「善し悪し」で考えて面接に臨むと決意しました。

「退職理由を伝えて、誤解をされても、誤解をといて、仕事ができると強く伝える」

こうしてGさんの就職活動は再び動き出したのでした。


【相談日記】目標がなくなったら、取り残されてしまったように感じる~Kさん(40歳代後半・女性・アルバイト)~

Kさんは、働きながら家庭の家事や子どもの世話と両親の介護を抱えて生活を送っていました。時には、生活リズムに合わせた仕事に変えていきました。その生活を送り始めて10年が経った今、子どもが手を離れつつあり、また両親の介護の必要もなくなり、自分の時間が増えてきました。
しかし、今の自分が何かから取り残されてしまっているように感じています。

今までは、自分の欲求を押し殺していたけど、いざ時間があるとなると、何をしたらいいのかわからない。
増してや年齢も重なり、体力的にも昔よりも衰えを感じてきています。

今のままの働き方に違和感を感じているので、転職をしたいという希望を持ちつつも、何か武器になるものがあるのか?と自問自答すると、「今、通用するものは何もない」と答えが出てきてしまいます。でも、今の自分は好きになれないのです。
残りの人生を考えると、焦りが生まれて、何かしないといけないと思うのですが、何をしたらいいのかわからず、昔のように「まずはやってみよう!」という気持ちにはなれず、確実性を求めてしまっています。

周りは日々成長したり、変化したりしているのに、自分だけが何も進んでいないと感じれば感じるほど、空しくなり、絶望感を感じてしまいます。

そんなKさんに「ある意味、自由に物事を考えられるようになったのだから、歓迎すべきことではないんじゃないですか」と問いかけると、「子育てや介護など、何かに一生懸命になっていたからやってこれたけど、今は一生懸命になれるものがない」とありました。仕事でもいいし、趣味でもいいし、勉強でもいいし、何か「取り組めるもの」があれば違う動きになっているかもしれません。

Kさんには「自分が一番輝いていた時」「子育てや介護に捧げた10年間」「現在」を比較してもらいました。やはり、子育て、介護の期間を経て、仕事に対して努力することや新しい知識を取り込むこと、仕事へのモチベーションが下がってきているようでした。そして、「10年後の自分」がなりたい姿も併せて比較してもらいました。すると自分が一番輝いていた時の自分に近づきたいと思っているようでした。

今は、なかなか動けない自分がいますが、現在の自分を受け入れ、なりたい自分に近づけるように、一歩ずつ進んでいくKさんをこれからも応援したいと思います。


【コラム】適職の「職」は「職種」と「職場」にわけて考える

「適職を考えたい」そんなご希望を持って相談室に来られる方もいます。
適職というと、「あなたに向いてるのは〇〇職です」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

そこで、適職について考察を深めてみました。
適職という言葉の「職」って何を意味しているのでしょうか。
大きくわけて2つの意味があると思います。
それは「職種」と「職場」です。

職種については、事務職や営業職、製造職などのことで、この考え方はごく一般的なのではないでしょうか。

そしてもう一つの「職場」。
この職場という言葉の中には、その職場での働き方やスタンス、方針などのことで、いわゆる職場が持つ価値観にあたると考えます。
この価値観が自分と合うかどうかが非常に大切なのではないでしょうか。
また、価値観が合う職場では人間関係も自分と合う確率が高くなると思います。
もちろん、職場の中には価値観が違う人もいますから、全員の価値観がぴったり合っているというわけではありません。しかし、いずれ職場の価値観に合った人が中心的な存在になっていくと思います。

一つ目として述べた職種に関して考えることは、「自分ができるかどうか」と「その仕事をしたいかどうか」です。

できるかどうかという軸では、「やったことがあるからできる」「できそうだからできる」「がんばればできる」「相当がんばればできる」のどれに当てはまるでしょうか。

したいかどうかの軸では、「とても興味がある」「興味がまあまあある」「興味がなくはない」「興味を持とうと思えば持てる」のどれに当てはまるでしょうか。

この2つの軸で、「やったことがあるからできる」「できそうだからできる」と「とても興味がある」「興味がまあまあある」が重なる職種が自分の適職候補だと考えられます。

先に挙げた職場の価値観と合わせて考えていきましょう。

そして、最後に条件面で合致するかを考えます。就業場所、労働時間、休日などの「働く環境」と給与、昇給、雇用形態、役職などの「待遇」において検討をしていきます。

それらからピックアップできた求人情報をもとに積極的にエントリーしていきましょう!


【コラム】新しい環境になじむために

3月も中旬を過ぎました。
自分は変わらなくても、周囲の環境が変わり、併せて自分の環境も変化を余儀なくされる場合も多い時期になりました。
その場合でも、新しい環境にどのように順応できるかがポイントとなります。
まるで自分が取り残されてしまったかのように感じてしまうこともありますが、そこが踏ん張り時なのではないでしょうか。
いつまでも変わらない、変えない環境というのは、成長する機会がないと言っても過言ではないと思います。
また、環境は自分に合わされるのではなく、自分が合わせていくものなのではないでしょうか。

自分が身を置く環境によって、その人の感情や行動は変化します。時には、自分の実力以上のパフォーマンスを見せることも可能でしょう。また、逆も然りで、自分の実力が発揮できない場面もあるでしょう。しかし、そこであきらめるのではなく、「はじまり」だと捉えることによって、よりよい自分に向かっていけるのではないでしょうか。

「郷に入れば郷に従え」という昔から言われている格言があります。組織やコミュニティに属する際に必要なことだと思います。まずは相手の状況を把握し、その場に自分を合わせる。住んでいる場所や地域性がある場合は、どんなに価値観が違っても合わせていくことが求められますが、働く上での組織では、ある程度すり合わせが事前にできるので、価値観が全く違うというわけではないと思います。
そして、郷に入った後に、自分の個性を出していくものなのではないでしょうか。

「郷に入れば郷に従う。その後、自分を出す。」

職場や業務内容が求める人物像に近づくための伸びしろがどれだけあるのかが、就職活動で求職者と求人者のお互いが知りたいことなのではないでしょうか。

そのための応募書類であったり、面接選考であったりするのではないかと思います。

さて、冒頭にも話しましたが、環境が変わりやすい時期です。周囲に流されるわけでもなく、自分をしっかり持って、環境の変化に対応することが大切ですね。

今回が、今年度最後の配信となります。また次年度、よりみなさんに届く情報提供を行っていきたいと思います。


【相談日記】チャレンジしてみてわかることもある~Nさん(40歳代後半・女性・無職)~

Nさんは、約10年前から専業主婦として過ごしていましたが、今から2年前に時間の空きが見つかったことと将来のことを考えて、就職をする意思を持ちました。
そこで、介護職に就くことにし、資格取得をした後に、実際に働きはじめました。

主婦をしていた頃と比べると体力的にもきつく、時間のやりくりも大変だと痛感しました。そして、半年も経たずに退職することになってしまったのです。
それというのも「人材が不足しているから就職しやすい」といった理由で入職しており、覚悟を持ってなかったことが原因だと分析できました。もっと職場に対するイメージを膨らませることが大切だったのですね。

その後、再度就職活動をはじめようにも、方針が自分の中で定まらず、相談室にお越しになられました。

Nさんの第一声は「事務職に就きたいけど、ハードルが高いように感じる」ということでした。
そして事務職に就きたい理由をたずねると、「過去に経験があることと、体力的に楽そうだから」ということでした。

事務職は決して楽な仕事ではありません。
楽な仕事を探そうとすると結局職場は見つかりにくいのかもしれません。
給料をいただく以上、楽ではダメなんだと思います。

その状況の中で、派遣社員としてコールセンター職のオファーがあり、軽い気持ちでエントリーしたら受かったと報告がありました。
そして、事務職の幅を広げることと併せて仕事をすることに慣れることの両方を目的として挑戦してみることを提案しました。
また派遣社員は継続性が担保されにくい面もあるため、働きながら就職活動を行うことを勧めました。
もちろん、職場で想定される働き方を入念にシミュレーションしてから臨みました。

Nさんは、派遣社員として期間が3か月に限定されたコールセンターで勤め始めました。

2か月が経った頃に相談室を訪問されました。
現状を確認すると、「コールセンターの仕事をこなすのに精一杯」「体力的に余裕がなくなってきている」「就職活動をする時間がない」と当初の計画とは程遠い状況になっていました。

当初は「できる目標」として掲げていましたが、現実は違ったようで、想定よりも負担が多すぎました。
仕事内容が想定していたよりも厳しく、自分に合ってなかったようです。事前の想定が甘かったかと言えば、そうではなく、自分自身のことへの理解が甘かったようです。

Nさんは、今後働いていく自信を失いかけていました。
しかし、「できないことがわかった」「過度に無理をせずにできる仕事に挑もう」と目標や計画を自分の身の丈に合った内容に軌道修正していくことになりました。

これは一度チャレンジしたことで理解が深まったことだと思います。
経験をひとつずつ積み重ねていくことで、良い面も悪い面もわかっていくものだと思います。
思い切って行動すること。そして検証することで、方向性が定まっていくのかもしれません。


【コラム】とりあえず書き出してみる

就職活動中って何かに迷ったり、悩んだりする時が多くなりがちですよね。
人生の中で、大きなターニングポイントになる可能性があるのですから、当然のことだと思います。

しかし、迷いや悩みは解決の兆しを見えないままになるとだんだん不安要素が増えてくることもあります。

職業の選択や転職すべきかどうか、自分が何に向いているのか、自分が何をしたいのか……

このような不安を解消するためには、自分自身で不安の内容をしっかりと知り、受け止めることが大切です。

そのためには、まずは「とりあえず書き出してみる」ことをおススメします。

書き出してみることで「ストレス解消」「脳の活性化」「無意識への影響」があるそうです。

書くことで、自分の気持ちが見えるようになります。
客観的に自分を見ることにもつながりますし、ぐちゃぐちゃしたものの整理にもなります。
ストレスは、整理がつかない状態になることが大きな原因となるようです。

そして、書くときには脳が回転しますので、活性化にもつながります。
何らかのアイデアが出てきたり、思いもよらなかった解決策が浮かび上がってくるかもしれません。

さらには、迷いや悩みを冷静に捉えることができ、不安を作り上げる要素に直面することができます。
課題に対して意識を持つことは大変有効です。むしろ、意識的に捉えなければ解決には結びつきません。
一説では、人は95%の無意識で日常を過ごしているようです。残りの5%は意識的な行動となります。
常に意識下に置くと行動も変わってきますので、課題解決へとつながります。
もし、不安を安心に変換することができれば、意欲的になれるのではないでしょうか。

これらのプロセスを経ることで、不安要素は軽減していきます。
普段は不安要素を見ない、感じないようにしようと思っていても、どこかで現れます。
いっそのこと、不安要素を受け止めて、課題解決へアプローチした方が得策かもしれませんね。

また、いっぱい書き出すことで、頭に思い浮かんだことの抜けや漏れを防ぐことにもなります。
考えがまとまらない時も、多くの選択肢の中から選ぶ時も、頭の中がいっぱいになっていくと、ついつい抜けや漏れが出てくるものです。
その抜けや漏れが後で気づいた時には再び不安要素として現れることになり、再び考え直さないといけなくなります。
何度も同じことを考えていると、考えることに疲れてしまいますので、しっかり考えるためには、抜けや漏れを無くしておいた方がよいのではないでしょうか。

さて、書き出した後には、課題の認識や次の行動に向けた計画づくりをして、実践していかなければなりません。
相談室で一緒に考えることができますので、ぜひお越しください!


【相談日記】自分自身のやり方で就職活動を行う~Hさん(50歳代前半・男性・無職)~

Hさんは、数年前に体調を崩されて一時期療養生活を送っていらっしゃいましたが、体調も回復し、新たに職探しを始めています。
しかし、年齢が50歳代になったことと、療養のためのブランク期間があったことで、就職活動をどのように進めていいのか悩んでしまい、停滞気味です。

そんな時に就職活動を着実に進めていきたいとの思いで、相談室にお越しになられました。

まずは、就職活動の方向性を検討していくことになりました。

「どんな仕事に就きたいですか」「何をアピールできそうですか」「仕事を探す上で何を重視しますか」

これらの質問を投げかけてみましたが、自分自身がどのような方向に進みたいのかのアイデアが出てきません。

ここで、一旦掘り起こしていくことを止めて、過去に就いた仕事のやり方をお聞きしました。
Hさんは、企業に対してコンサルティングや提案等をされていた経験がありました。

そこで、今までの仕事のやり方を就職活動に取り入れてみてはどうかと提案しました。
自分自身を企業に対して提案していくように考えるのです。

商品やサービスの分析を行い、ニーズ把握を行い、企画提案をする。

このような流れをそのまま就職活動に当てはめると、自分自身の分析を行い、社会や企業が求める人物像を把握し、即戦力として活躍できる提案を応募書類に記載する。となります。

慣れているやり方で物事を考えた方が、スムーズに進むと考えました。
Hさんは、モチベーションが上がり、さっそく検討していくことになりました。

「就職活動は先が見えなく、不安に思い、ついネガティブな考えに至ってしまうのですが、この考え方で前向きに考えられそうです。」

と停滞気味だった就職活動が再び一歩進みだしました。

就職活動だからと言って、何か特別な方法ややり方があるわけではありません。
就職活動を行う中で、自分自身が今までやってきた経験を活かしながら、考えると比較的スムーズに進むのかもしれませんね。


【コラム】自分を活かせる求人にチャレンジを

新年を迎え、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
年末年始は求人や採用に関する業務が停滞することが多いものですが、今から年度末に向けて活発に動き出すと予測されます。
求人数も増えますが、就職活動を行う方の人数も増えていきますので、しっかりと情報をチェックしながら進めていきましょう。

さて、求人の探し方についての相談を受けることも多いのですが、「できるかどうかわからない仕事内容」にチャレンジする方もいるように思えます。
チャレンジすること自体は大切なことなのですが、「できるかどうかわからないこと」は自分にとっても、相手にとってもリスクを伴うものです。

未経験でもいいので、これから育成していく方針を掲げている場合はいいでしょうが、即戦力として期待されている場合は、「できる」「できそう」といった仕事ができる可能性が高い人が好まれると思います。そんな時にライバルが強いと太刀打ちできません。

提示された仕事内容をある程度理解して、働くイメージを持てていないと、いざ仕事をはじめても期待通りとはいかないのではないでしょうか。

また、求人票等に提示されている仕事内容は、字数制限があったり、文章だけでは表現しにくい内容もあったりして、全て記載されているわけではないと考えられます。
まだ見えていない仕事内容が多く存在するのです。

見えていない仕事内容の一つとして、その会社に存在する慣習や同僚との人間関係のあり方、仕事の進め方など、企業文化と言われるものに融合していくことが挙げられます。
いくら業務に対するスキルがあっても、職場になじむことができないと、活躍度は低いのではないでしょうか。

そして、年代的に、ポジション的に、マネジメントを求めれらる場合は、経営者感覚を持ち合わせているかどうかも重要になってきます。
このような内容は求人票に詳細が記載されていないことが多いものです。

従って、見えている求人情報は表面的であることが多く、この部分で「できるかどうかわからない」状態であるとお互いが期待外れになってしまう可能性があります。

だからある程度、提示された仕事内容に対して「できる」という感覚を持ち合わせた上で、企業や職場との相性を見極めることが必要なのではないでしょうか。
その業務ができるかどうかは、過去の経歴や保有しているスキル・資格で把握することができます。企業や職場との相性は、応募書類に「個性」を表現したり、面接時にコミュニケーションをとることで、お互いが見極めることになっていくと思います。

みなさんが活躍できる職場を探すために、背伸びをし過ぎる求人にチャレンジするのではなく、自分を活かせる求人にチャレンジすることが必要なのではないでしょうか。


【相談日記】「書かされていた書類」から「人に見せたい書類」へ~Uさん(40歳代後半・男性・無職)~

Uさんは、前職でデザイン関連の仕事を長年勤めていましたが、会社の経営状態が良くなく、自身がいた部署が閉鎖される見通しとなり、退職を余儀なくされました。
その後、就職活動をはじめるものの、専門的な職であるためなかなかピッタリとしたものが見つからず、活動が停滞気味になっています。
そんな時、就職活動を一歩でも進めるためのヒントを探しに、相談室を訪れました。

今まで応募書類を送れど送れど、面接に呼ばれることは皆無であったため、応募書類の見直しからスタートすることになりました。
応募書類は、過去の数社での経歴が一覧になって書かれておりました。しかし、その会社のことはよくわかるのですが、肝心のUさんについての人物像が見えにくいものでした。Uさんが何をしたのか、どんなデザインをしていたのか、どんな役割を担っていたのか……これらの情報がなく、製作したモノの情報がびっしりと書かれていたのです。

そこで、「受ける会社に自己紹介をするならどのようにしますか?」と問いかけたところ、デザインに関する想いや社内での役割などを語っていただけました。「そうです。その内容こそが応募書類に記載すべき事項なのです。」とお伝えすると、「今まで応募書類は“書かされている”感じでしたが、相手が読みたくて、さらに自分が書きたい内容を書くのですね。」と理解していただけました。

また、今までのマネジメント経験を問うと、「3人の部下がいて……」という話になりましたが、よくよく聞いてみると部署を超えた10人程度の人とプロジェクトを進行していたことがわかりました。律儀に考えれば、自分が所属している部署の人数を伝えたくなるのですが、本質は10人のチームで動いていたことになります。そこで書き方を工夫して10人のチームでの役割を明確に記すことにしました。

さらには、デザイン関連のお仕事なので、応募書類を自由に表現をすることを提案しました。もちろん、決められた内容を漏れなく記す必要があります。その上で、デザインセンスを活かし表現することで個性を出すことを考えたのです。

そして、「書かされていた書類」から「人に見せたい書類」へと変化していきました。

しばらくして、Uさんから報告がありました。今まで面接に呼ばれなかったのが、突然2件から面接のお知らせが来たと。もちろん時期的なことが影響しているのかもしれませんが、Uさんは充実感を持って就職活動に臨むようになったのは、表情から見てとれました。

ここからが正念場です。いくら書類選考が通過するようになったとしても、面接選考をクリアして、採用を勝ち取り、職場で活躍しなければ、元も子もありません。そんなUさんをこれからも応援していきたいと思います。


【コラム】自分が行き着いた先がゴール

よく「目標を決めましょう」「ゴールを決めましょう」と言われることがあります。
そんな時、目標やゴールを決められないことが多々生じます。
また、目標やゴールを思い浮かべたとしても、どうせ無理だな……と考えを消してしまうこともあると思います。

「○○になりたい」「▲▲な状態にしたい」といった目標やゴールは、設定した方が前に進みやすいですが、設定できない場合はどうしたらいいのでしょうか。

そこで、まずは身近な「変化」に挑戦してみましょう。
今の自分の中で持っている悪い習慣や嫌いな部分を変えてみるのです。
変えるには意識することが必要です。
普段できていないことやついついやってしまうことなどを良い習慣として行うことです。

それを「歯みがきをする」「顔を洗う」くらいの日常の一コマとなるくらいまで、習慣化できればOKです。

たとえば「何事も一生懸命になる」「チャレンジする気持ちを持ち続ける」といったことでしょうか。
このように以前はできていたのに、今はできなくなってしまっていることを設定すると良いでしょう。

それが現在の自分へのルールです。
ルールを守って進んでいけば、自分がめざしたい方向に無意識に進んでいくでしょう。

もちろん自分の中の悪習慣を変えているわけですから、良い方向に進んでいきます。

そのような状態を続けていくと、目標やゴールが見えてくることがあります。

「自分が行き着いた先がゴールに近い場所」なのです。

何気なく進んでいく先の方向性が良い方向であれば、それは目標やゴールに向かって進んでいることにイコールなのではないでしょうか。

大きな遠くの目標やゴールが設定できない場合は、身近な変化を自分のルールとして設定し、そのルールに従って行動する。
そうすると意外と近くに目標やゴールが見えてくるかもしれません。


【相談日記】良い循環を生み出そう~Hさん(40歳代前半・男性・無職)~

Hさんは、前職を5年前に辞めて以来、職に就いていません。人間関係に不信感を持ったことが退職の理由なのですが、次なる就職にも人間関係がうまくいくかどうか不安に思っている間に時間が過ぎていってしまいました。その中でも「就職をしなければ」との思いから約半年前、相談室を訪問されました。
当時は「自分がどのような方向に進んでいいのかわからない」「自分にできることはない」と自分自身に自信がない状態でした。
それは「就職をしなければいけない」という焦りや「どうせいい職場になんていけない」という諦め、「また人間関係で困るかもしれない」という不安が入り混じっていて、一歩の踏み出し方に躊躇しているようでした。
そこで、立ち止まっている状態を解消するために、何かの行動をしてみることを提案してみました。

本を読む、情報を得る、サークル活動をする、ボランティア活動をする……

何らかの行動を一日のスケジュールに入れるで、動かない日を少なくしていきました。
しかし、一向に明るい光が差し込むことはありませんでした。

そんな日々を続けていたある日。ついに希望の光が差し込みます。
ある日の新聞の記事で、自分が共感できる仕事のことが載っていたのです。

その仕事のことをインターネットで調べました。今まで何かを深く調べてみようと思い、行動をしたことがなかったのにもかかわらず……。

調べていくうちに、自分がやりたい仕事であること、自分の年齢でもチャンスがあること、仕事に就くためには資格取得が必要であること等が次々とわかってきました。

そして、相談室を訪問された際に「自分のやりたいことが見つかりました!」と今までにない良い表情でお話をされました。
半年前とは比べ物にならない表情です。

それまでは立てられなかった就職に至るまでの計画を順調に立て、現在は順調にクリアしていっています。
まだまだ挑戦は始まったばかりですが、目標に向けての支援を全力で行いたいと思います。

人は何かに夢中になるとイキイキとしてきます。
イキイキすると周りがサポートをしてくれるようになります。
その励みを受けて、もっとがんばろうとします。
そして小さいかもしれませんが、成果や成功体験が出てきます。

このように良い循環で進んでいくことで苦しいこともしんどいことも過程として楽しんでいけるのではないでしょうか。


【コラム】悪い循環・習慣を断ち切るために

「繰り返してしまう……」こうつぶやいている方も多いのではないでしょうか。
繰り返すこと自体は「良いこと」なら継続して行うべきですし、「悪いこと」なら改善すべきところですね。

先ほどのつぶやきは主に「悪いこと」を繰り返している時に口に出してしまいそうですね。

行動を繰り返すことは「何もしていない状態から、何かを始め、続けて行うこと」です。

たとえば、転職。
とある会社に就職した時に、転職をすると転職を1回したと記録されます。また転職をすると転職を2回したと記録されることになります。
みなさんも経験あるかもしれませんが、転職はあまり良いイメージでない場合もあります。だから1回目の転職を決意し、行動に移す際には多くの悩みや不安と葛藤しながら、決断を下したのだと思います。
そして「次こそは転職せずにがんばろう!」と心に誓いながら、新たな環境を求めて就職活動を行うはずです。

就職活動を経て、新たな職場での勤務がスタートし、しばらくすると「自分が思い描いた職場と違う」といった理由で、再び転職をしたいと思うようになる方もいます。
そして勤めている会社を退職し、転職活動を行ってしまいます。ここで2回目の転職が記録されてしまいます。
あとは、転職を繰り返すパターンになり、気が付けば転職回数が多くなるといった状況に陥ってしまいます。

物事は繰り返されることで、その回数が増えてしまうのです。

大変回りくどい言い方をしましたが、「0(ゼロ)の状態から1にして、1を2にする、2を3にすると回数が飛躍的に伸びてしまう」のです。

良いことでも悪いことでも同じようなパターンで繰り返していきます。

それは、習慣化されていくことを意味します。
悪いことを習慣化させていくと、より悪い方向へと進んでいきます。
これは避けたいことですね。

ではどのようにしたらいいのか。

それは良い習慣をつけていくことしかありません。習慣の上書き保存です。

先の転職の例で言いますと、悪い習慣は2回目の転職時に大きく発生したと考えられます。
2回目の転職をする時に、「退職する」という選択肢を早くから頭の中に出してしまった時点で、職場に定着する意識は少なくなるでしょう。

本来ならば「職場に定着するためにはどうしたらいいのか」という命題に向けて思考を深めていくものですが、その時点で「退職もやむなし」と選択肢を出してしまったら、安易に退職への道を選びがちです。

ここでは踏ん張って、職場に定着する方法を熟考すべきですし、そのような行動を行うべきです。
踏ん張れれば、次の転職はそもそもなくなり、転職回数が増えていくことはありません。

「転職する習慣」が「定着する習慣」へと変わっていくのです。

今、就職活動をしている中でネガティブな状況が循環していたり、習慣化されているようであれば、ポジティブな新たな習慣で上書きして、良い循環に書き換えていくことが必要となります。

普段のささいな行動のひとつひとつを良い行動へと転換していくことで、良い未来が待っているのかもしれません。


【相談日記】これからの10年を考える~Hさん(40歳代前半・女性・アルバイト)~

Hさんは、現在アルバイトで働いていますが、今後のキャリア形成に悩んでいます。
今まで、定着して働いた仕事がなく、周囲に流されて職場を転々としてきました。
しかし、そんな自分にイヤな思いもしていたのです。

「自分の意思で何かを決めたいと思っていても、周囲の意見に納得してしまって、その道に進むのだけど、後悔することが多い」

そうして過ごしてきた20年間を変えたいと思うようになりました。

「何かやりたいことはありますか?」
この問いかけに、次のように回答がありました。

「やりたいことは考えられない。自分の能力から考えると、”できる”仕事もないのではないかと思う」

では現在勤めているアルバイトは”できる”仕事なので、継続することを勧めましたが、将来ずっとその仕事をしていたい希望はないそうです。

そこで、興味を持つことを掘り下げることにしました。

芸術分野に興味を持っているようなので、関連した商材や商品を扱っている業種の中でいくつかの職種を抽出し、見ていただきました。
すると、興味を少し持っていただけたのか、具体的な質問が出てきました。

「これって、どんなお客さんを相手にするのですかね?」「商品知識ってどのくらい必要なのでしょう」「どんなやり方で商売しているのかわかります?」……

それまでは求人情報の中でも、待遇条件や仕事内容に記載されている表面的な内容でしか判断してこなかったのですが、ちょっと目線が変わりました。

その職場で働くことができるか。自立した働き方をイメージできるか。

今後の10年を考えると、職場で機能的(企業のミッションが達成でき、かつ、自分の満足度も高くなる)に働くことができるようにならないといけません。
機能的に働くには、職場に依存した働き方ではダメなのです。

Hさんは、今まで燻っていた自分の殻を徐々に割って、違う自分への変化を遂げようとしています。

そうして新しい生き方や考え方、働き方が生まれ、職場に定着することができるのではないでしょうか。

今後の就職活動も相談室としてサポートを全力で行いたいと思います。


【コラム】相手に安心感を与えることが大切です

求人情報って、どんな点を見ていますか?条件面、待遇面を見て〇か×かをつけている人もいるのではないでしょうか。その時、職場で働いている自分を想像していますか?

「求人情報の中に記載してある限られた情報だけではイメージできない」と言われる方もいると思いますが、企業のホームページを参照したり、会社案内を参照にしたり、実際に訪問してみたりと、いろいろな方法でイメージを膨らませることができます。

冒頭でも話した通り、「職場で働いている自分」を自分自身で想像できないと、当然相手も想像できないと考えてよいのではないでしょうか。
特に即戦力が求められている場合は、働き方を両者がイメージできないと採用には至りにくいのではないでしょうか。

どんな目標に向かって、どんな目的で、どんな業務を、どんな方法・手段で行うのかをイメージできていないと、応募書類の文面や面接での応対時に自信がないものになってしまいます。また、自分が考えていることと相手が捉えることにギャップが生まれ、誤解を招くことにつながるかもしれません。

求人情報から得られる情報が少ないと嘆く前に、自分自身の情報を多く、深く伝えるようにしましょう。
そうすると、相手からの情報もより多く、深くなっていくのではないでしょうか。

就職活動では常にライバルが存在します。自分よりも経歴が長い人、優位な資格を持っている人、体力が多い人、伸びしろが多くある人……

そのような人たちと競い合って、採用枠を勝ち取るわけですから、一筋縄でいかないものです。

そこでは、相手の不安感を無くし、安心感を与えることが1つの突破口ではないでしょうか。
「この人となら一緒に働けそうだ」という安心感を与えるためには、まずは情報開示が大切です。
単に履歴や保有資格を羅列するのではなく、どんな場面で、どんな働き方をしてきたのか。それは今後、どのように活用できると考えるのかをしっかり伝えることが重要です。

企業側の不採用にする理由は「なんとなく」といった曖昧な理由であることが多いそうです。この「なんとなく」は、情報が不足しているが故の結論ではないでしょうか。雇う企業側も活躍してくれそうだと確信して、採用を決めたいと考えるはずです。

もちろん、本当の答えは「働いてみてから」しか出ませんが、採用選考の時点でお互いが納得できていることが、最低限のスタートラインであると考えられます。

「自分をどのように表現したらいいかわからない」と思った方は、身の丈に合った自己表現を一緒に考えますので、ぜひとも相談室にお越しください。


【相談日記】選択肢を広げてみる~Mさん(50歳代前半・男性・派遣社員)~

Mさんは、長年勤めた営業職を退職し、福祉業界に転身しました。年齢の影響もあってか、派遣社員として現在勤務しています。
派遣社員として勤務している中で「直接雇用で雇われるようになる」という目標を立てました。

ちょうどそのタイミングで相談室にお越しになられたのです。

現在の派遣社員で勤務している職場では直接雇用に転身できる可能性が無いそうです。
そこで、派遣社員から脱却し、直接雇用の道を探りたいと考えています。

約1年半の福祉業界での経験から、今からは自分の年齢も考慮して、キャリアプランを立てたいとのことです。

その結果「求人情報が見当たらない」となり、壁にぶつかってしまいました。

福祉業界と一言で言っても、幅が広く、様々な関わり方があります。
対象としている人、行う業務、それに付随する労働条件……

そこで、Mさんに「自分が福祉業界で誰を幸せにしたいですか?」と問いかけました。

するとMさんは答えが出てきません。

今まで勤めてきた福祉施設では、「担当を任された業務を指示通りに行う」ことが多く、自ら考え、行動する余地がなかったと言います。
だから急に答えが出てきませんでした。

しばらくすると「福祉施設の利用者の家族の支えをしたい」と答えが出てきました。

その後、いろいろとお話をしていきましたが、この答えが達成できる道を探っていくことになりました。

そのためには、Mさんの知識や見聞が狭いように感じます。そこで、福祉業界に携わる機関や人を洗い出して、それぞれの役割を考えていくことになりました。

Mさんは、もともと営業職であったため、「自ら考え、行動すること」が得意でした。現在は、福祉業界について様々なところに出かけ、話を聞き、自分の方向性を定めるための情報収集を行っています。

このように、「求人情報が見当たらないのは、自分の方向性が定まらず、なんとなく求人情報が自分と合わないと感じた」ことから生まれた不安・悩みでした。

Mさんは、今後、自分が就こうとしている業界像を把握し、自分が達成したい職種について考察し、行動することになります。
選択肢を広く考え、絞り込んでいく過程を、持ち前の行動力で過ごしていっていただければと思います。


【コラム】人生グラフをつくってみよう!

キャリアの棚卸しをする時に役立つのが人生グラフです。人生グラフは、自分が今まで生きてきた人生を折れ線グラフで表現するものです。横軸に年齢を、縦軸に満足度や幸福度を設定して描いていきます。

描いてみると、折れ線が折れているポイントがあると思います。その時には、「何か」が起こっているのだと推測できます。いわゆるターニングポイントです。そのターニングポイントで何が起こったかをグラフに書き記します。

グラフが描けたら、上昇している箇所と下降している箇所に目を向けましょう。

上昇している箇所は、「成功」「躍進」「できた」「成果」「評価」「感謝」というキーワードに類するものがありそうです。
逆に、下降している箇所は、「失敗」「後退」「苦手」「叱責」「不評」「逃亡」というキーワードに類するものがありそうです。

まずは上昇している箇所を注意深く見ていきましょう。
ここでは、「自分が何らかの行動を起こしたから、上昇する結果になっている」と捉えてみます。
どんな行動を起こしていましたか?

「○○な事象に対して、△△な行動をとったので、◇◇な結果が生まれ、上昇した」となります。

この時の行動は、いわば自分ががんばった証です。
運がよかったとか、タイミングがよかったとか、たまたまだと言われる方もいると思いますが、何らかの働きかけ(行動)があったからこその結果だと思います。

この経験こそが自己PRになるのではないでしょうか。
職務経歴や保有資格などの定量的な側面ではなく、自分自身を定性的にアピールすることにつながります。

ライバルと差をつけるためには、この部分を認識し、表現していくことが重要なのではないでしょうか。

また、グラフの中で下降している箇所は、今後回避する内容であったり、克服する内容であったりします。

その時々の求人内容を見ながら、求めらている人物像と自分を照らし合わせて、お互いがしっくりくるマッチングをめざしましょう!


【相談日記】「今」何を選ぶのか~Aさん(40歳代前半・男性・アルバイト)~

相談室ご利用のAさん(40歳代前半・男性・アルバイト)は、長年食料品製造のアルバイトを行っていますが、将来を考えて正社員での就職を考えています。しかし、転職活動をしたい気持ちは持っているものの、なかなか積極的に活動を進められないでいました。
いざ、求人情報を探してみても、しっくりくるものが見当たらない……。そんな日々が続いていたのです。

ある時の相談で、求人情報を探す基準を聞いてみたところ、「できそうなもの」「過去にやったことがあるもの」を選んだとのことでした。
それらは、今までアルバイトとして従事していた内容のものが多く、結果的に正社員として求められる業務内容ではなく、非正規雇用で求めらる内容であったのは、当たり前のことだったのです。

そこで、視点を変えてみることにしました。ちょっと未来を想像してもらったのです。
5年後の姿。10年後の姿。
家族とどのように過ごしているか。
その時の家族の年齢はどうなっているか。
その生活を送るために必要な資金はどのくらいか。
その資金を得るためにはどんな仕事に就いていればいいのか。
具体的に細かくシミュレーションしていきました。

するとどうでしょう。
今、目の前にある求人内容では到底無理であることがわかりました。

今すぐでなくても5年後に、想像する理想の生活像に近づけるために「今」何ができるか。

そう考え方を変えた時に閲覧していた求人内容は全て却下となったのです。

新たに求人情報を探す際には、「今、できること」と「将来、できるようになっていること」の両面を考えていこうと方針が立ちました。

もちろん今までの経験は無駄にしません。
さまざまな角度から経験を活かしつつ、正社員として求められるもの(スキルや業務範囲)に応えることができる職を探していっています。

今までモヤモヤしていた就職活動。
これからはややスッキリした考え方で積極的に動けると思います。


【コラム】就職活動のジレンマを解消する

就職活動を行う中で、様々なジレンマが生じてきます。たとえば、「早く就職を決めたいのに、なかなか動けない」「やる気がみなぎっているのに、合いそうな求人が見当たらない」といった感じです。
これらのジレンマは、「結果的に動きが鈍る」ことにつながります。動きが鈍ると、新たな課題・問題点が発生してきます。経済的な不安が大きくなってきたり、職を離れる期間(ブランク)が長くなり評価が下がるとともに、即戦力として機能するかの不安が大きくなったりしてきます。
そのような状態になってくると、以前にも増して動きが鈍くなりがちで、悪循環に陥っていると言えるでしょう。
この悪循環に陥らないためには、どうしたらいいのでしょう。
それは、自分のニーズ(要望)を社会のニーズに合わせていくことでしょう。

ニーズが合致していないと、うまくマッチングは成されません。
しかし、社会のニーズはそう簡単に変わらないものです。
そこで、自分のニーズを変えていくことが必要となります。
要するに、社会から求められているものに自分を変えていくのです。

では、社会のニーズとは何でしょうか。
人材が不足している業界や職種も多々あります。その中で「自分ができる」ものに着目してみるのもよいでしょう。
また、より広く社会のニーズを知ってみることも良いでしょう。将来的なニーズを考えてみることもよいでしょう。

そこには、課題があるはずです。その課題を解消するために「自分ができること」「自分がやってみたいこと」に労力を費やすと、「働く」ことにつながります。

また既に悪循環に陥っている場合は、どこかで流れを断ち切らないといけません。
うまく循環していた時期(バリバリ働いていた時や高い評価を受けた時など)と比べて違いを知りましょう。
おそらく、自分にとって良くない行動が習慣化されつつあるので、解消する必要があると考えられます。
従って、良い行動を心がけることで、好循環に変化していくことにつながります。
知らず知らずのうちに、良くない行動や思考が積み重なっていますので、意識的に解消していくことが求められます。
その改善プログラムを就職活動の計画の中に位置づけてみましょう。

いつでも前向きに行動・思考することで、次のドアが開かれると思います。


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